刺客に惚れられる男、勝海舟に学ぶ。

司馬遼太郎さんの名作「竜馬がゆく」の3巻にて。

アメリカへの渡航経験もある勝海舟を切りに行こうと、坂本龍馬と、千葉重太郎が勝海舟を訪ねるシーンがあります。そのとき勝海舟が、

「切りに来たんだろう?」

と笑って、海洋戦略から日本の国家戦略を解き、その場で坂本龍馬が勝海舟に入門してしまいます。
僕は、数年前にこの場面を読んで、

すげえなあ。

と素直に感じました。だって、自分を殺しにきた人をすぐにファンにできますか?笑
と、いうことで勝海舟にとても興味を持ちました。

実はこの話は勝海舟の思い込みだという説もあるそうです笑。

そんなこんなで、色々読んでみたのですが、政治・経済・人生論、様々な面から今でも役に立つような考えがたくさんあったので、本とともにまとめてみました~!
個人的には、幼少期のお父さん(勝小吉)の話が一番好きです。笑

「竜馬がゆく」

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件の龍馬との会談

そもそも勝海舟に興味をもったきっかけが、「竜馬がゆく」における会談だったので、そのシーンを詳しく読める本をずっと探していました。
いったい、具体的にどんな説得をして勝海舟は坂本龍馬を落としたんやろうと。そこで出会ったのがこの本、

「勝海舟」

勝海舟が割とおっきくなってから、戊辰戦争らへんを書いた作品です。
この中に、ちょうどまさに、坂本龍馬が勝海舟を切りにいく場面があります。

そして、件の場面ですが、

文量なんと、ゼロ!!!!!

気が付いたら、龍馬が家に出入りするようになっていて、

「北辰一刀流の千葉周作の弟定吉の子十太郎と共に、麟太郎を殺す気で、元氷川へやって来たのは、つい十日ばかりも前の話だ。」

もう終わってる!!!

てな感じでしたね笑
勝海舟が何をしたか、どんな人か、教科書ベースの知識からだと一番入りやすい小説だと思います。江戸城無血開城とかも出てくるし。

政治・経済・人生論など

国家百年の計を唱え、幕府を畳んだ勝海舟の政治や経済、そして、生き方に関する考え方は今読んでもかなり説得力があり、勉強になります。この辺は、勝海舟自身の言葉で読む方が説得力があってよいと思います。

「氷川清話」

「海舟座談」

氷川清話は新聞とかに投稿されてた勝海舟の談話とかをまとめたもので、海舟座談は門弟の巌本善治が自分が聞いた話をまとめたもの。

いくつかいいなあと思った言葉を載せておきます。

国家について、
「一個人の百年は、ちょうど国家の一年くらいにあたるものだ。それゆえに、個人の短い了見をもって、あまり国家のことを急ぎたてるのはよくないヨ。」

知恵について、
「人間は、難局に当たってびくとも動かぬ度胸が無くては、とても大事を負担することはできない。今の奴らは、ややもすれば、智慧をもって、一時逃れに難関を切りぬけうとするけれども、智慧には尽きるときがあるからそれは到底無益だ。」

人材育成について、
「世間では、よく人材育成などといって居るが、神武天皇以来、果たして誰が英雄を拵へ上げたか。誰が豪傑を作り出したか。(中略)人物になると、ならないのとは、畢竟自己の修養いかんにあるのだ。(中略…野菜を例にして)いくら肥をしたって駄目だ。つまり野菜は、野菜だけしか生長することが出来ないのさ。」

人の評価について、
「上った相場も、いつかは下がる時があるし、下った相場も、いつかは上がる時があるものサ。その上り下りの時間も、長くて十年はかからないヨ。
それだから、自分の相場が下落したと見たら、じっと屈んで居れば、しばらくすると、まだ上がって来るものだ。」

世間からの評価について、

「功名なく、また名なし」
これは、海舟座談の序に出てくる言葉です。勝海舟って、明治維新の後に歴史の教科書とかに出てこないんですよね。つまり、「名」がないわけなんです。さて、勝海舟は明治維新後は過去の人になっていたんでしょうか。下記の魏の文侯と扁鵲という名医の問答を載せてその答えとしておきましょう。

文侯
『君が兄弟三人あり、誰か最も善く医をなすや』

扁鵲
『長兄の病を看るや、その神を視る、いまだ形跡あらざるに早くこれを除くをもて、その名、家の外にすら聞ゆることなし。
中兄の病を治するは、毫毛に入り、その根本を癒す。故にその名や、聞ゆれども一地方より出でず。扁鵲のごときは、血脈をほり、毒薬を投じ、
肌膚の間に副うてこれを治するをもて、処法華々しく、名、諸侯に及ぶまで聞ゆるなり』

大きな人物について、
「大きな人物といふものは、そんなに早く顕れるものではないヨ。通例は百年の後だ。(中略)今の人間はどうだ、そんな奴は一人も居るまいがノ。
今の事は今知れて、今の人にほめられなくては、承知しないといふ尻の孔の小さいやつばかりだらう。」

他にも色々好きな言葉があるのですが、常に大きな目線で国家を見ている点や、
理論・理屈ではなく、実際を大事にしている点が印象的です。

ちなみに、ここより下は趣味です笑。

幼少期

こうゆう、人物を探っていくときには、僕は結構「どうやってこんな風に育ってんやろう?」という視点で本を読んだり考えたりします。そうゆうときに欠かせないのが幼少期のお話です。
勝海舟は、お父さんの勝小吉という旗本が「夢酔独言」という自伝的なものを書いていて、割としっかり情報が残っています。「夢酔独言」そのものもいいですが、子母沢寛さんの
本が勝海舟の幼少期を追うのには最適です。というか、めっちゃ楽しいです笑

「夢酔独言」

「父子鷹」

「おとこ鷹」

父子鷹とおとこ鷹は時系列的な順序は忘れましたが、まあ、どっちから読んでも一緒です笑。

勝海舟の勝小吉という旗本は特に役もない貧乏人なのですが、剣がめっちゃ強いのと、侠気があって近所の人からとっても慕われていてあーーこれが江戸っ子かあ、ととても気持ちいいです笑。
本当に、すごい勝小吉のスカッとした生き様と、心温まる親子愛が感じられる作品です。好きな話が2つあって、

1つが、勝海舟が病気になったとき親父がずっと寺に通い詰めて、治るのを待ったところ。まあ、方法論に異論はあれど、本当に子どものことが大事だったんだなあと感じられて好き。

もう一つが、狸穴の都甲先生のところで勝海舟が勉強しているときに急に火術演習を見学に行く話です。
勝家は貧乏だったので、晴れ着をお母さんが徹夜しながら作っていて、それは海舟も、小吉も知っていました。
しかし、その晴れ着るべき「火術演習」の日が急にきて、その日は普段着で都甲先生のところへ勉強にいっていました。そんな火術演習へ、親父の勝子吉がお母さんが作った着物を持って、火術演習場まで走ってもっていって、結局、帰りにしか渡せなくて、でも、最初に渡せた風に振舞って、小吉と海舟が一緒にお母さんを悲しませないでおこうとします。そして、お母さんの方も全部気づいていたけれども知らんふりして、お母さんが、「間に合ってよかったねえ」っていうシーンです。なんか、家族っていいなあ、って素直に思いました笑

まあ、ちなみに、上記の本を読んでの、「なぜ勝海舟が生まれたか?」という問への感想としては、
・幼少期に最新知識を入れること
・思いっきり愛情を注がれること
かなーとか思ったり。

まあ、そんなこんなで勝海舟のことは結構好きです笑。幼少期・幕末期・明治期くらいで追っていくと、経験や考え方が色々分かって楽しいです!

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